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妹はU-12アイドル

 四つ下の妹がU-12アイドルやってます、なんて、出来すぎた話で誰も聞いちゃくれないだろうが、U-12アイドルにも兄がいるという、それだけの話だ。
 学生兼アイドルは、週末はたいてい朝早くから仕事だ。俺は普通の高校生だから、土曜日は朝から自室でゲームをしている。パジャマのまま、コントローラーを手にテレビに向かっていたら、部屋のドアがノックもなしに開いた。やはりパジャマ姿の柚月が、眠そうな顔で入ってくる。いつもツインテールにしている髪も、下ろしたままだ。
「おはよ、お兄ちゃん」
「おう。なんだ、今日はオフなのか?」
 俺は、画面から目を離さずに尋ねた。
「うん。撮影がキャンセルになって。夕方からレッスンの予約だけど、それまでオフでいいって。たまにだから」
 柚月は、あぐらをかいた俺の膝に乗ってきた。俺はコントローラーから手を離さず、そのまま座らせる。
「そうか、よかったな。お袋と出かけてくれば」
「ママはお友達と約束があるんだって。パパは休日出勤」
「ふぅん。じゃあ、お前も友達と遊べば」
 俺はそう応えて、中ボス戦に集中した。柚月はしばらく画面を見ていたが、急にコントローラーに手を触れ、ポーズボタンを押す。
「なにすんだよ。いいとこだったのに」
「リセットボタンじゃなかったんだから、感謝してよね」
 下から俺の顔を見上げ、尻を揺するようにして押しつけてくる。
 逆さまに見上げる顔が、笑い崩れた。
「硬くなってる」
「……朝勃ちだよ」
「嘘。起きてから何時間経ってるの」
 尻が、さらに強く押しつけられてきた。
「もう。『ママと』とか『友達と』とか、いじわるばっかり。お兄ちゃんと、遊びたいのに」
 人間の顔って、逆さまに見ると妙だな。俺は、そんなことを考えていた。
「じゃあ、いったんセーブして、対戦モードにするよ」
「そんなこと頼んでないぃ」
 逆さまの顔が、口を尖らせる。
 その様子も妙だけど、逆さまに見ても、口を尖らせても、柚月は可愛い。
「なに、口尖らせてるんだよ」
「もう。わかってるくせに」
 柚月は、口元を緩めて、目を閉じた。
 俺は顔をかがめて、その口元に唇を寄せる。
 二人の唇が重なると、湯月が舌を入れてきた。俺は、それに応え、絡めるようにこちらの舌も挿しこむ。
 柚月の口の中は暖かくて、柔らかくて、いつものように甘くて、少し歯磨き粉の味がした。
 位置が完全に上下だから、必然的に俺の唾液は妹の口の中に流れ落ちる。彼女はそれを、こくりと飲んだ。
 飲んだことを確認して唇を離すと、ぷはぁ、と、止めていた息を一気に吐く。これだけは、まるで子供のキスだ。
「お兄ちゃんのキス、好き……」
「キスだけか?」
「ううん。ぜんぶ、すき」
 そう言って柚月は、俺の胸に顔を埋めた。
 彼女の尻に押されている硬いものが、さらに硬くなる。痛いぐらいだ。
「ちょっと、どけ」
「なに、急に」
 微笑んでいた顔が、また口元を尖らす。
「重いんだよ。そのケツ離せ」
「ひっどぉい。あっ、わかった。一部だけきついんだ」
「お前のせいだろ。わかったら、どけ」
 柚月の表情はころころ変わる。今度はまた嬉しそうに、少し俺から離れて、こちらに向き直った。
 こうして正面から見ると、やっぱり可愛い。アイドルとして通用するのはもちろん、他にこんな可愛いアイドルを俺は知らない。
「んふふー。きつかった? キモチよかった?」
「ほんとに重かったぞ。またケツでかくなったんじゃないか」
「もぉ、そんなことばっかり言って」
「正直に答えろ。でかくなったろ」
「……うん」
 思ったより素直に、柚月は答えた。どうせ隠せないのだ。
「何センチだ。公式プロフィールでは七十二センチだっけ」
「あれは、最初から少しサバ読んでるけど。デビューのときに測ったのは、七十四だったはず。今は――たぶん、ななじゅう、なな」
 最後は消え入りそうな声で、言う。
「半年でそんなに成長したのか」
「なんかね。急に」
「いいじゃないか、女らしくなって」
「でも――。十一歳で、もうすぐ十二だけど、子供なのが売りだから」
「子供なのに色っぽい、のが売りだろ」
 写真集やDVDでは、胸元やヒップのアップばかり撮られている。腹立たしいが、しかたない。
「いいんだよ、柚月は柚月で」
「ありがとう」
 落ち込んでいた表情が、少し明るくなった。
 本当に、小学六年生そのものの顔つきなのに、ときどきすごく色っぽい表情をする。
「ついでに訊いとこうか。バストとウエストは」
「ウエストは変わってない! プロフでサバは読んでるけど、実際に測っても変わってないっ。ろくじゅういちっ」
 怒ったような顔も、いい。
「つまむとぷにぷにしてるけどな。それで、バストは。公式で七十二のA」
 ますます怒るかと思った表情が、今度は暗くなる。
「――ななじゅう……」
「え? 聞こえない」
「ななじゅうきゅう! しー!」
 叫ぶように言うと、柚月はうつむいてしまった。
「えっ。Bだと思ってたけど。ていうか、Cって、それじゃ巨乳じゃないか」
「だって。Bだったんだよ、デビュー後すぐBになって、それからずっと。でも、最近ブラきついから先週測り直してみたら、売り場のお姉さんが、アンダーは変わらないけどトップが増えてる、Cだって……」
 今度は、泣きそうな顔だ。
「いいじゃないか。泣くなよ。C。いいと思うね、俺は」
「――ほんとに?」
「ほんとに」
「てきとー言ってない?」
「ほんとに。信じろ」
「うん――」
 またころっと、笑顔が戻ってくる。
「なんだ。お兄ちゃん、巨乳好きなんだ」
「なんだってなんだ。男はみんなそうだよ」
「だって、コドモに手を出すから、てっきりそういう趣味なんだと思ってた」
「ひとをヘンタイみたいに言うな」
「なによー、ヘンタイ。五年生の十一歳のAカップを口説いて、手を出して、姦っちゃったくせにー」
「そりゃ、お前が」
「なに? あたしのせい?」
「お前があんまり――」
 可愛いから。
 その一言が口に出せず、俺はいきなり、柚月の上半身を押し倒した。
「お前が誘うからだぁ!」
「うわっ、やめ。誘ってないかないもん」
「無意識に誘ってるんだよ、お前は」
 そうだ。去年から、柚月はガキのくせにフェロモン出しまくりだった。俺は何回、柚月を想いながらオナニーしただろう。
 ついに一年前、風呂上がりで今みたいに髪を下ろしたパジャマ姿の柚月に、今みたいに襲いかかったのだ。
「なに、お兄ちゃん。プロレスごっこ?」
 無邪気に笑う子供の柚月に、「好きだ」と一言告げ、男女のことを知っているか確認し、半ばむりやりに、そういうことをした。
 柚月は、抵抗しなかった。じっと俺を見つめながらことが進むのを受け容れ、痛みに耐えながら俺を抱きしめて、言ったのだ。
「だいすき、おにいちゃん」
 と。
 そうだ。そして今また、こうして、柚月を押し倒している。
「待って。脱ぐから」
 真面目な表情になって、柚月は言った。
「大丈夫か、こんな明るいうちから。下に聞こえたら」
「二人とも出かけてるってば」
 俺が手を離すと、柚月はもぞもぞと身をよじって、パジャマの上下を脱ぎ捨てた。それに合わせて俺も脱ぎ、二人とも下着姿になる。
 柚月は、ブラジャーとショーツだけの姿になった。おそろいの、ブルーの小さな花柄だ。
「これ、先週買った新しいブラ……。どうかな」
「うん。すげえ可愛い。似合ってるよ」
「えへへ」
 照れ笑いする背中に手を回す。ここまでなら、写真集やDVDでも見られる。ようやく、胸の谷間といえるものができてきた、小学生の胸だ。
 ここから先は、俺の特権だ。俺はブラのホックに指先を掛け、ぱちんと外した。
 ぷりゅん、と、問題のCカップが姿を現す。
「……」
「どうしたの、変な顔して」
 心配げな表情で柚月が見上げる。
「うん……。これ、ほんとにCか?」
 思ったより、ぺっちゃりしている。これなら、半年前のふくらみかけと同じじゃないだろうか。
「あっ。ひどぉい」
 眉が逆立つ。
「ほんとだもん。ブラのタグ、見てみてよ」
「カップはあるけどさ。ブラに隙間できてたんじゃないのか?」
「そんなことないもん。ぴったりだったもん」
「お前さ」
 俺は、まじまじと柚月の顔を見た。やっぱり可愛いけど、そういう話ではない。
「Cになって、嫌なの? 嬉しいの? どっちだよ」
「それは」
 視線が宙をさまよう。
「残念なのと、嬉しいのと、半分っていうか……。褒められたから、あとは嬉しいっていうか」
「複雑な女心?」
「そうよっ」
 混乱を打ち切るように、彼女は強く断言した。
「中身は成長してるんだな。体は、どうなのかな」
 俺は、Cカップに触れてみた。柚月は目を閉じ、わずかに眉を寄せる。
 むみゅり、と、柔らかい、それはもうやわらかい、肉の感触があった。
 ふくらみはじめのころとは、ぜんぜん違う。軽くわしづかみにすると、そのぶん、肉が持ち上がってくる。それだけ、たっぷりある証拠だ。
「ちょっと、柚月。起き上がってごらん」
「なに」
 不可思議そうな顔つきで、彼女は言われたとおり上体を起こした。
 Cカップが、たゆん、と、本来の形を取り戻す。
 重みで潰れていただけか。それだけ、重くなっているんだ。
「うん、やっぱりCだ。おっぱいの形になってる」
「ほんと。ほんとだ」
 自分の胸を見下ろした柚月は、明るい顔で俺を見上げた。
「お兄ちゃん、嬉しい?」
「ああ。柚月が成長して、すごく嬉しいよ」
 そう言いながら俺は妹の胸を優しく撫で、ついでに乳首にそっと触れた。
「ここは、変わらずピンクだな。すごく可愛いままだ」
「ありがと」
「アイドルは乳首も可愛いな。みんなに見せてやりたい」
「だめよ、捕まっちゃう。十八までは無理」
 少女が、くすくす笑った。
「それまでアイドルやってるか、わからないしね」
「お前がアイドルやめたら、アイドルより可愛い一般人になっちまうな」
「もう、お世辞言って」
 柚月は、それでもまんざらでもない顔だ。
 こっちは本心なんだが、まあ、どうでもいいことだ。そのアイドルに、誰より近くにいるのは俺なんだから。
「でもほんとは、乳首より可愛いのは、ここだよな」
 俺は手を下へ移動し、ショーツの表面を撫でた。
「可愛いかなあ、こんなの」
「可愛いよ、絶対」
「でも、見せたらそれこそ捕まっちゃう」
「ああ。それに、見せたくない。俺以外の、誰にも」
 ショーツの中に手を入れる。ふわり、と、薄く柔らかい毛の感触がする。まだ、いかにも生え始めという印象だが、この半年で確実に成長した部分だ。
「十一歳の小学生がこんなに生えてるって知ったら、がっかりするファンもいるんだろうな」
「なんかね。変な思いコミしてる人が多いみたいね。小学生はCどころかBカップでもありえない、とか。でも、修学旅行のときに見たら、みんなこんなもんだったよ」
 ちょっとその場面を想像したら、少しゆるくなっていた勃起が、また最強レベルになってしまった。
「毛も可愛いけど、その下の、割れ目といちばん上にある出っ張りが、いちばん可愛いんだよな」
「そうなの」
 疑問符を浮かべた表情が、俺を見上げる。
「だって、ほら。ちょっといじるだけで、こんなに可愛い顔になる」
「やっ。あっ、あ、ああああ、あっ」
 驚いた顔が、忘我の表情に変わっていく。
「や……だ。急に、イかせないで」
 その下に指を動かすと、びっちょりしている。
「うん、準備いいな」
「え。今日は舐めてくれないの」
 目の前に柚月の大切な部分を拡げて、いじって、舐めてみたいけれど、今それをやると暴発してしまいそうだ。
「もう我慢できない。いいだろ。今日は大丈夫な日だよな」
「うん……」
 期待外れと、不満と、これからへの期待が入り混じった表情で、ふたたび横たわる。
 ショーツを脱ぎ下ろした柚月は、両手を握って胸の前に構え、俺の目を見た。
 俺もトランクスを脱ぎ捨て、彼女に寄り添った。
「脚、開いて。だいじょうぶ、ゆっくりやるから」
 あわててやると、柚月はまだ痛がる。とはいえ、ゆっくりしていられるかどうか、わからない。
 挿入の直前は、いまでもどきどきする。俺たちが童貞と処女を同時に喪った一年前を思い出すせいか。
 柚月もそうなのだろう、目を閉じて、歯を食いしばっているのがわかる。
「緊張するなよ」
 無理だと思うがそうアドバイスして、返答を待たずに、俺は腰を突き出した。
 ねぷ、ずず、と、俺は妹に挿入りこみ、前進する。
「くぁ、ふっ」
 少女は声を漏らした。
 柚月の内部に、俺は侵入していく。締め付けがきつくて、こっちも痛いぐらいだ。
「大丈夫か」
「うん、キモチいい」
 本当はそうじゃないことは、表情が物語っている。
 それでも俺は、やや強引に前に進み、いちばん奥に突き当たった。それから、またゆっくり抜く。
 三回ぐらい繰り返しているうちに、柚月の具合はだいぶこなれてきた。表情も緩んでいる。
「どうだ?」
「訊かないで……」
 せっかくの可愛い顔が、手のひらで隠されてしまった。しかたなく俺は、もうひとつ可愛い、胸に視線を移し。
 Cカップは、下半身の動きに合わせて、たゆんたゆんと揺れている。なるほど。
 このあたりで、俺の精神的な満足は最高潮に達していた。そして肉体的にも。
「出るよ。出すよ」
「うん。うん」
「どこがいい。どこに出す」
「そこ。そこに、そのまま」
「そこってどこだ。ちゃんと言ってみろ」
「いやあ……。羞ずかしい……。おま……」
「なんだって? ちゃんと言え」
 いくら手で隠しても、表情が羞恥そのものになっているのがわかる。それがいっそう、俺を高める。
「おま……こ。おま、んこにだして」
「もっと言え」
「おまんこ! おにいちゃんのセーシ、あたしのおまんこにだしてっ」
「よし」
 とてつもない解放感とともに、俺は、何十回目かの妹内射精をしていた。
「やだ……いつも……変なこと言わせて」
 少し落ち着いたところで、柚月は愚痴りはじめた。
「しょうがないだろ。言わなきゃわからないんだから」
「嘘ばっか。言わなくても中に出すくせに」
 俺のものはまだ半萎えで、柚月の内部にある。
「次、お口でしてあげる。飲んでもいいよ」
「俺はどっちでもいいけど、お前はそれでいいのか」
「しゃぶるの、わりと好きだよ」
 まだ、本当のセックス、本当の絶頂を知らないからだよなあ。俺は反省しつつ、アイドルにフェラチオさせるイメージにまた勃起していた。
「どうせなら、顔に掛けてやるよ」
「やだぁ」
「男は、可愛いものを見るとぶっかけたくなるんだよ」
 小首をかしげてしばらく考えてから、柚月はうなずいた。
「シャワー浴びなきゃ。いっしょに浴びる?」
「それより、いっしょに風呂に入ろうよ」
「浴槽狭いから、ぴったりくっつかないと入れないよ? あ、それでいいのか」
 フェラチオと顔射のあと、俺たちは入浴し、裸のままキッチンへ行った。裸エプロンで軽い昼食を作らせ、裸のまま食べた。それから、リビングでバックスタイルで、した。そのあと俺の部屋に戻り、ベッドの上で、またした。
 三回目が終わったあと、俺は言ってみた。
「現役アイドルと見込んで、頼みがある」
「なに?」
「その裸のまま、自分であそこ拡げて、『わたしのいやらしいおまんこにお兄様のおちんちんを挿れてください』って言ってみてくれ」
「やだ。なに言ってんの。バカ。ヘンタイ」
 思いっきり嫌そうに舌を出す仕草だけで、同じぐらい興奮できた。
 昼過ぎになり、柚月はようやく髪を結い、服を着て、レッスンに出かけていった。
 そのときはもう、妹ではなく、恋人でもなく、アイドルの貌になっていた。

《完》

2014/12/28執筆
安東熱志

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